バレンタインデーの歴史と現代における変化
毎年、2月14日に行われるバレンタインデー。
男性も女性もこの時期になるとそわそわする方も多いのではないでしょうか?
古くから存在するバレンタインデーの由来や、日本における最近の傾向についてご紹介したいと思います。
■バレンタインデーとは?

バレンタインデーの歴史は、古く遡り西暦269年にローマ皇帝の迫害下で殉教した「聖ウァレンティヌスに由来する記念日」だと西方教会の広がる地域においては伝えられていました。
キリスト教の方々は毎年バレンタインデーの日に家族や恋人など大切な人に贈り物をすることが習わしになっており、日本においては女性が男性にチョコレートを贈る日として多く認知されています。
そもそも”チョコレートを贈る”という内容は日本独自の文化であり、1970年頃に毎年売上が落ちる菓子店主が発案したと云われています。
当時の日本は”男性が女性に対してプレゼントを贈る”という習慣があまりなかった為、”女性から男性に送る”という発案をした所、徐々に流行を見せていったそうです。
■女性が意中の男性に愛情の告白を行う

そんな独自の発展をしてきた日本においては、バレンタインデーの日に女性が意中の男性にチョコレートを贈ると同時に愛情の告白を行うという習慣が定着していきました。
この習慣に関しても、とある製菓会社の発案により広まっていったものとされており、元々のバレンタインという文化とはまた違った形となっています。
毎年バレンタインが近づいてくると、世の女性は意中の男性にチョコレートを贈る為に手作りのチョコレートを作ったり、ラッピングに悩んだりと、どうやって自分の気持ちを相手に伝えることが出来るか?と悩んだり、男性は意中の女性からチョコレートがもらえるのか・・・とそわそわするような事がありました。
■現代におけるバレンタイン
ただ、最近の日本のバレンタインは年々形を変えていってる傾向が見られます。
以前は、”女性が男性に贈る日”であったのに対し、”女性から女性へ”であったり”男性から女性へ”等、様々な形でプレゼントを贈るようになってきています。
また、”愛情の表現”であったものが、”感謝の表現”に変わっていくなど、本来プレゼントが持つ”相手への気持ちの伝達”という形に変わっていっており、”意中の相手への愛情の表現”を行う人はだんだんと少なくなってきています。
いつも近くにいてくれる友達や家族、職場の方々への日頃の感謝の気持ちを伝える日として、バレンタインは現在認知されている傾向が強くなっています。
特に、流行に敏感な中高生の間では、”バレンタインといえば手作りのチョコを友達同士で配り合う日”という意識があるようです。
■新たなコミュニケーションを生むきっかけにも

友達同士で配り合う・・・ということが主流になっていますが、「〇〇ちゃんからはもらえたけど〇〇ちゃんからはもらえなかった」というような、普段のコミュニケーションの深さが浮き彫りになってしまうなど、多感な時期の子達においては少し気を張ってしまうようなこともありますが、反対に普段あまり喋ったことのないような子からもらうことで、その後コミュニケーションを取るようになったりなど、新たなコミュニケーションを生み出すきっかけにもなることがありそうです。
(参考:https://www.asahi.com/articles/ASP1Q3PZTP19UTFL004.html)
■ホワイトデーも実は日本独自の文化だった
バレンタインデーと紐づいて”ホワイトデー”が3月14日にあることは皆さんご存知だと思います。
一般的にはバレンタインでプレゼントをもらった相手に対して御返しをする日として認知されています。
ただ、ホワイトデーというものは1980年頃に同じく日本の菓子業界が発案したものであり、世界的に認知されているものではなく、日本独自の文化として定着しているようです。
■日本の経済にも大きな影響を与える市場にまで発展
様々な発展を遂げてきたバレンタインですが、今では日本において毎年1,000億円を超えるほどの経済効果を生み出す行事となっており、毎年大手百貨店や菓子店においても”バレンタイン商戦”という言葉が出てくる程、大々的にバレンタインに向けたキャンペーンを行うことが定例になっています。
有名なメーカーのチョコレートが並び、百貨店の催事場には多くの人が集まり賑わいを見せています。
形は変わっていきますが、”想いを伝える”という根底のテーマは変わらずに今後もバレンタインは続いていくことでしょう。