マスクを知ろう!新型コロナ対策に役立つマスクの歴史や起源、海外との着用率の違い
新型コロナウイルス感染症の影響もあり、今や生活の中になくてはならないものとなったのが「マスク」です。
そんなマスクが、元々どういったきっかけで生まれたのか、今のように広く使われるようになったのかをご存知でしょうか。
コロナウイルスが流行する前からよくマスクをつけていたという方も、そうでない方も、日々当たり前のように使っているマスクの重要性を今一度知り、より感染症予防に努めましょう。
■マスクの歴史

マスクは明治時代以降に海外から入ってきたもので、その歴史は古く、古代ローマやギリシャの鉱山で働く人のために作られたのが始まりだと言われています。
参照:豊田都市交通研究所
【https://ttri.or.jp/ttri_journal/72/pageindices/index4.html#page=5】
現在のように布を使ったマスクは、16世紀にレオナルド・ダ・ヴィンチが発明したこともわかっています。
その後は新型コロナウイルス感染症はもちろん、2002年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行や、2009年の新型インフルエンザ流行でも役立ったアイテムとして使われており、歴史を刻んできたことがわかるでしょう。
■日本のマスクの歴史

日本では「マスク」というアイテムは前述のとおり明治時代以降に輸入されたものですが、似たような用途に使われていたものはすでにありました。
たとえば、神事に使われる葉っぱです。
神社で行われる神事では、よく榊(さかき)という葉が用いられますが、神主さんや巫女さんが葉を口に加えて執り行う光景が見られることがります。
これは、神様(ご神前)に直接穢れた息がかかるのを防ぐという意味があり、マスクのような役割を果たしていました。
参考:同志社女子大学
【https://www.dwc.doshisha.ac.jp/research/faculty_column/12077】
また、日本ではおもに大正時代より、工場での作業用に防じんマスクが使われ始めました。
この当時のマスクは、金網に布地をとりつけた簡易的なもの。
さらに、真ちゅうを使っていたため吐息で錆びてしまうというデメリットがあり、一般用(家庭用)には広まらなかったといいます。
参照:Mask.jp
【http://www.mask.co.jp/osato/mamechishiki/rekishi01.htm】
家庭用マスクはまだ一般的ではありませんでしたが、大正7年(1918年)に「スペイン風邪」が世界的に大流行し、マスクをつける人が急増。
屈強な力士でも亡くなるという驚異の感染症だったため、多くの方がマスクをつけていました。
そして昭和に入り、現在もおもに使われている不織布のマスクが少しずつ作られるようになり、風邪やインフルエンザ予防のためにつける人が増え、今に至ります。
もともとは作業用マスクが使われていましたが、今では多くの方が日常的に、当たり前のようにマスクをつけるようになりました。
■用途はさまざま!幅広いマスクの種類
一口にマスクと言っても、非常にさまざまな種類のものがあります。
病院で医師や看護師の方がつけているマスクや、一般の方がコロナ対策でつけているマスクはもちろん、戦闘機に乗るパイロットがつける酸素用のマスク、工事現場で使われる防じん用のマスクなど、用途によって形状も材質も大きく異なります。
■産業用のマスク

産業用のマスク、つまり防じんマスクは、工事現場などでアスベストをはじめとする有害な防じんを吸い込まないようにするためのものです。
ちなみに、「防じんマスク」と名前がつけられるのは、厚生労働省が定める規格をクリアしたものだけで、その合格標章がない場合は「ダストマスク」などの名前で販売されています。
■医療用のマスク

医療用マスクは、感染予防を目的にしたマスクです。
「サージカルマスク」がこれにあたり、一般のマスクに比べて細かな細菌・飛沫を防ぐことができます。
■家庭用のマスク

多くの方が日常的に使っているのが、家庭用のマスクです。
こちらは風邪やインフルエンザなどのウイルス・細菌感染を防ぐ目的はもちろん、花粉症対策、防寒対策などを目的として使われています。
飛沫感染を防ぐ機能は医療用のマスクに比べて劣るものの、感染を防ぐ・重症化を防ぐ効果があることはわかっています。
参照:ヤフーニュース
【https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20201010-00202347/】
■日本と海外でのマスク着用率の違いは?
最後に、日本と海外でのマスク着用率の違いを見てみましょう。
海外のニュースではたびたび問題になっていましたが、街に出れば誰もがマスクをつけていると言っても過言ではない日本と違い、マスクをつけていない人が多く見られます。
日本と海外諸国でのマスク着用率には大きな違いがあり、特にアメリカやヨーロッパではその傾向が強くあらわれています。
●新型コロナウイルス対策として「公共の場ではマスクを着用する」実施率(2020年3月11日~16日データ)
・スペイン…5%
・フランス…5%
・アメリカ…5%
・オーストラリア…10%
・シンガポール…21%
・イタリア…26%
・インド…43%
・日本…62%
・中国…83%
新型コロナウイルス感染症が本格的に猛威を振るい始める前のデータでは、日本は62%の方が公共の場でマスクを着用していることがわかりました。
また、海外ではイタリアが26%、スペインやアメリカでは5%という大きな違いも見られます。
■マスクで引き続き感染対策を!

終息の見通しが見えない、新型コロナウイルスの脅威。
さらに、インフルエンザや風邪をはじめさまざまなウイルス・細菌は身近なところにいます。
引き続きマスクを身に着け、少しでも感染対策ができるように努めましょう。