コロナ渦でのeスポーツの拡大、リアルスポーツとの融合性について

■eスポーツとは

eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、コンピューターゲーム等の電子機器を使って対戦をする競技のことを指します。
対戦型のゲーム(格闘ゲームやシューティングゲーム、RPG(ロールプレイングゲーム)など)を、スポーツとして捉えたものになります。カーレースやパズル、格闘技、サッカーなどが主体です。

eスポーツは、2020年に新型コロナウィルスが流行する以前から行われていましたが、会場に選手や観客が集まり、大型モニターなどで観戦するような形が一般的でした。
また、それとは別に、オンラインで対戦動画を配信し、それぞれが自宅など好きな場所で観戦する形も、以前からありました。

2020年の新型コロナウィルスの流行によって、会場には集まらずにライブ配信などの方法でeスポーツを開催する形が増えているようです。
コロナ渦での自粛期間中、ゲームの需要が高まり、eスポーツのライブ配信の視聴時間は飛躍的に伸びています。

eスポーツのオンラインコンテンツは今後も拡大し、オンラインでの開催が新常態(ニューノーマル)となっていきそうです。
また、需要が増えたことで、新たなビジネスモデルとして今後もより拡大していくことが見込まれます。

新型コロナウィルスの流行で、一度に大勢の人が集まることが困難になり、通常のスポーツの試合や大会、それらの観戦ができにくくなっています。
ですが、eスポーツは上記のように、オンラインでの開催が可能なため、時代の流れに合ったものであるといえます。
自粛ムードで外出がしにくくなったことで、eスポーツのオンラインコンテンツの消費者ニーズも高まっています。

また、eスポーツには、スポーツ分野の対戦型ゲームもあります。これらのことから、リアルスポーツがeスポーツと融合していく部分も増えていきそうです。


■eスポーツの規模と立ち位置

eスポーツは、1990年代後半頃から世界のいくつかの国で人気が出始めました。現代では多くの競技者が参加する大会も開催されているなど、世界的にも比較的大きな規模を持ちます。
eスポーツは、海外では特に、ゲームでありながら通常のスポーツのように捉えられています。

eスポーツは、アジアオリンピック評議会が主催するアジア室内競技大会で、2007年から正式種目として採用され、競技が行われています。
2007年、日本でもeスポーツの普及を目的として日本eスポーツ協会設立準備委員会が発足しました。
2015年には一般社団法人として日本eスポーツ協会(JeSPA)が設立され、2018年2月より日本eスポーツ連合(JeSU)となりました。

eスポーツの中で、サッカーやカーレースなどのスポーツ分野の対戦型ゲームは、アジアオリンピック評議会(OCA)が主催する国際総合競技大会アジアインドア・マーシャルアーツゲームズで、頭脳スポーツの正式種目となっています。

また、eスポーツがスポーツの種目と同じように、今後オリンピックの正式種目になることも可能性としてあるようです。
これらのように、eスポーツは世界的に規模が大きく有名であり、通常のスポーツと同じような競技として認識されています。


■スポーツとeスポーツとの融合姓

新型コロナウィルスの流行によって、大勢の人が一度に同じ場所に集まることが難しくなった世の中、野球やサッカー、バスケットボールなどのメジャースポーツの試合や観戦ができにくくなっています。

いっぽう、eスポーツはオンラインで対戦することができるため、コロナ渦でも行いやすく、eスポーツのイベントや配信は増加しています。
eスポーツは、対戦型ゲームをスポーツとして捉えたものですが、格闘系以外にもサッカーなどのスポーツ分野の対戦型ゲームもあるため、コロナ渦で行いにくくなったリアルスポーツがeスポーツに融合する動きもあります。

コロナ渦でリアルスポーツの試合や観戦が減っている中、スポーツ選手がeスポーツを通して対戦をすることが出てきています。
プロテニスプレーヤーの錦織圭選手、大坂なおみ選手など著名なアスリートが、eスポーツの大会でテニスゲームの対戦を行い、ニュース番組でも取り上げられるなど話題になりました。

著名アスリートの、リアルスポーツの時とは違った一面を見ることができるなどの楽しみ方ができます。
また、F1レーサーのeスポーツ大会や、プロのサッカーチーム同士がサッカーゲームで試合を行うイベントが行われ、動画配信がされました。
リアルスポーツの試合とは少し違う目線になりそうですが、ゲームは臨場感を出すなど現実に近づけた設計にこだわっているそうです。

アスリートのeスポーツでの対戦は、特に選手やチームのファンにとって、興味深いものだと思われます。また、オンラインであるからこそ、リアルでは実現が難しい相手との対戦ができたりもします。

このように、これまでになかった形でのスポーツ観戦の楽しみ方ができるようになっています。eスポーツであれば、上記以外でも様々なスポーツで、アスリートがオンライン対戦することが可能です。
人が集まりにくいという世の中の変化によって、こうした動きが加速し、上記で挙げた内容以外にも、今後、オンライン上でのスポーツ観戦の楽しみ方が幅広く増えていきそうです。

新たな時代のビジネスモデルとして、eスポーツのオンラインコンテンツはより進化していくと見込まれます。


《出典》
https://news.mynavi.jp/article/20200803-1173480/
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60451380X10C20A6TJ1000
https://kotobank.jp/word/e%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%84-192210
https://mantan-web.jp/article/20200506dog00m200003000c.html