“Trip Base 道の駅プロジェクト”とは?地方創生のカギとなる内容を解説!
旅行など、どこか遠くへ行くときに多くの方が経由する「道の駅」。
その地元の名産品がずらりと並んでいる道の駅は、観光地のひとつとしても人気の場所です。
そんな道の駅を通して、より地域の魅力を知ってもらうプロジェクトが発足しています。
「Trip Base(トリップベース)道の駅プロジェクト」と名付けられた、積水ハウスとマリオットによる地域経済活性化のプロジェクトをご紹介します。
■Trip Base 道の駅プロジェクトとは
地方創生事業として、道の駅に注目したプロジェクト「Trip Base 道の駅プロジェクト」がスタートしました。
全国各地にある道の駅やその地域の魅力をより深く知ってもらう、道の駅を中心として行われる地域創生プロジェクトです。
このプロジェクトを手掛けるのは、日本を代表する住宅メーカーの積水ハウスと、マリオットやリッツカールトンといったブランドのホテル事業を展開する、マリオット・インターナショナル。
2018年11月に始動したTrip Base 道の駅プロジェクトは、「地域の魅力を渡り歩く旅」を提案するといいます。
ソース
https://tripbasestyle.com/pdf/news_20181128.pdf
Trip Base 道の駅プロジェクトでどのような未来を目指していくのか、プロジェクト内容を詳しくご紹介します。
■コンセプトは「未知なるニッポンをクエストしよう」
Trip Base 道の駅プロジェクトは、ただ道の駅をPRするプロジェクトではありません。
全国各地で人気の道の駅にホテルを隣接させ、地元ならではの人とのつながりや地域の魅力を楽しむ、体験型の旅です。
道の駅は観光地や旅行での経由地のひとつとして親しまれていますが、長くとどまって楽しむ「目的地」ではないことも多いでしょう。
ですが、Trip Base 道の駅プロジェクトは、道の駅に隣接したホテルに泊まり、自転車などでその地域を渡り歩き、道の駅や地元のお店でおみやげを購入する、道の駅を中心としたその地域を楽しみます。
プロジェクトのコンセプトは「未知なるニッポンをクエストしよう」で、その地域の本当の姿を知るために、道の駅周辺を旅しようということです。
たとえば、その地元の食材を使った料理を食べてみる、地域のお祭りに参加してみるなど、テーマパークでは味わえない体験が可能です。
■Trip Base 道の駅プロジェクトの内容
Trip Base 道の駅プロジェクトの第1弾として発表されたのが、4府県15か所にロードサイド型ホテルを展開することです。
道の駅に隣接するエリアにホテルを建て、道の駅やその周辺を観光してもらうという計画です。
そのオープンは2020年10月から順次スタート。
高品質で、かつ短工期を実現できる積水ハウスと、全世界に900軒以上のホテルを運営するマリオットがタッグを組み、実現していくといいます。
また、パートナー企業として2020年7月時点で計34社と連携しており、地域の魅力発掘や地方での働き方改革、地方人材の育成などを通じ、地方創生に取り組んでいくとしています。
パートナー企業には、投資事業へ参画するみずほ銀行をはじめ、プロジェクトのプロモーションを行うJTB、旅行者への交通サービスを行うオリックス自動車など、大手企業が続々参画。
今後は旅のスタイルの多様化や、インバウンド需要の回復を見込み、さらなるパートナーシップを拡大していくとのことです。
そして、2025年までに25道府県にて約3,000室規模のホテルを開業する予定だそう。
■道の駅をビジネスの観点から見てみる

Trip Base 道の駅プロジェクトが発足したように、全国各地の道の駅にはとても高い魅力があることがわかります。
新型コロナウイルス感染症の影響で観光・旅行業界に大きなダメージがありましたが、それでも道の駅の登録数は増加し続けているといいます。
ソース:矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2597
道の駅は観光地としてはもちろん、地域の魅力を発信する場として重宝されています。
観光スポットだけでなく、防災や地域センターなど複数の役割を担い、地元の人になくてはならない場所として今後もさらに活用されるでしょう。
■道の駅は第3ステージへ

国交省は1993年に道の駅の制度を始めてからこれまで、第1ステージ「通貨する道路利用者のサービス提供の場」、第2ステージ「道の駅自体が目的地」としてコンセプトを打ち出してきました。
そして今回、2020年から2025年までを第3ステージとし、「地方創生・観光を加速する拠点へ」としています。
ソース:国交省
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/shin-michi-no-eki/pdf00/suggestion_3rd_stage.pdf
道の駅と周辺施設・企業との連携はもちろんのこと、道の駅同士での連携をとること、そして道の駅を世界ブランドとして、新たなインバウンド観光拠点にすることを目指しています。
さらに、上述のとおり道の駅は新たな「防災道の駅」として全国の安心拠点になること、あらゆる世代が活躍する舞台となる地域センターとして利用されることも、第3ステージの目標のひとつです。
道の駅はただ名産品の販売を行う場所ではなく、その地域の住民、観光客、企業を含めあらゆるつながりを作ることができる場所として期待されています。
■道の駅を中心に生まれる雇用とチャレンジ

国交省が提案する道の駅第3ステージを実現するために、さまざまな取り組みが行われる予定です。
●道の駅を世界ブランドへ
・多言語対応
・キャッシュレス決済の導入
・海外、観光関係団体との連携(海外プロモーションなど)
●防災道の駅
・地域防災
・広域防災
●地域センター
・子育て応援(ベビーコーナーの設置など)
・地域活性化プロジェクト(ECやアンテナショップなど)
・大学等との連携企画
これらを考えると、道の駅を中心に多くの企業や新たな技術が必要になるのがわかるでしょう。
たとえば、キャッシュレス。
日本だけでなく海外からの観光客向けに、海外で多く利用されているクレジットカード決済を導入したり、海外の方でも簡単に扱えるキャッシュレス決済、電子マネーなどの支払い方法が必要です。
その土地の名産品を使った新たなメニューやグッズ開発、バスやレンタカーなど観光のための交通手段の導入など、あらゆる事業が必要になります。
そこから多くの雇用が生まれ、観光客の増加に伴う地域活性化など、相乗効果が期待できるでしょう。
■「道の駅」の今後について
道の駅の課題として挙げられるのが、収益や観光スポットとしてどのように人の流れを作るのかということ、さらに新型コロナウイルスに対してどのように対策をしていくかです。
これらの課題を解決するために、民間企業との連携が必要と考えられます。
さらに、海外からの観光客を日本の各地域へ取り込むために、海外の観光関係団体との連携や積極的なプロモーションを図っていく必要があります。
ただ、新型コロナウイルスの影響により、多くの観光客を呼び込むのは難しい面もあるでしょう。
三密の回避や感染防止対策なども徹底する必要があることや、いつ感染症の恐怖が落ち着くのか、時間がかかるためスケジュールが予見しづらいことなどが挙げられます。
こうした対策と、道の駅第3ステージの実現に向けた取り組みを並行して行う必要がありますが、道の駅が今後日本各地を盛り上げるカギになることは間違いありません。
■まとめ
積水ハウスとマリオットによる「Trip Base 道の駅プロジェクト」、そして道の駅の可能性についてご紹介しました。
地方を盛り上げられる場所として、そして地元住民の憩いの場や、安心できる場として利用されることが期待されます。
このプロジェクトに伴い、あちこちで多くの雇用が生まれ、多くのビジネスチャンスも生まれることでしょう。
今後、2021年6月までに和歌山や三重などでホテルが開業する予定です。
新たなパートナー企業も今後参画するこのプロジェクト、大いに期待しましょう。